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脱春化

公開日:2020.6.11

植物が低温に遭うことで花芽形成が誘導される春化は、低温後に高温に一定期間遭うと、その低温効果が打ち消されて春化の反応が成立しないことがあり、この春化の消去を「脱春化」と言う。

なお、脱春化された植物でも、その後に再び低温に遭うと春化の効果が生じて花成が誘導されるが、これは「再春化」と言う。脱春化はすべての種類に見られるわけではなく、また低温の後にしばらくの間を普通温度におくと低温の効果が安定して、脱春化は起こらないとされる。

春化後の環境が温暖で長日になると、葉物野菜や根菜類の多くは花茎が伸長し始め、抽苔と呼ばれる開花現象を示す。抽苔すると貯蔵養分が花茎伸長に使われ、貯蔵根や葉球の充実が不良になり、青果としての価値がなくなるので、青果栽培では抽苔制御は重要な技術である。

脱春化は花芽分化を抑制して抽苔を防止する方法として利用される。すなわちトンネル被覆下で葉根菜類を栽培し、夜間の低温による春化反応を昼間の高温状態が消去する脱春化栽培が行われる。この脱春化による抽苔防止は種子春化植物に適用され、ダイコン、カブ、春ハクサイなどで実用化されている。緑植物春化型でも脱春化法は抽苔の少ない品種と組み合わせて、ニンジン、キャベツ、ネギで用いられている。

しかし緑植物春化型の基本的な抽苔防止は、春化感応しない幼若相の若苗で低温期を経過させる生育抑制である。

 

『農耕と園藝』2012年2月号より転載

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