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癒合剤

公開日:2020.6.18 更新日: 2021.5.12

樹木を剪定して枝抜き跡に残る傷口を早くいやすために塗る薬剤を癒合剤、または樹木癒合剤と言う。

癒合剤はペースト状剤型が一般であり、枝の切り口に塗ってできる皮膜が乾燥や雨水の侵入から切り口を保護すると同時に、殺菌やカルス形成を図り、傷口の治りを早くする。
皮膜の主要な目的が樹皮の代役である場合人工樹皮剤と言う。

癒合剤の基材は酢酸ビニル系樹脂の接着材で、これに殺菌資材が木材腐朽菌の感染予防用に配合されている。
人工樹皮剤にはさらに珪藻土などの鉱物質が加わる。
珪藻土は微細な多孔質を持ち、雨水は中に浸入せず、通気性があって呼吸できるので、形成される皮膜は理想的な人工樹皮になる。

盆栽では水と腐朽菌の侵入によって、傷口から下方に木質部が枯死する場合焼け込むと言い、また切り口の癒合を肉巻きと言う。焼け込み防止と肉巻き促進のために切り口には癒合剤を塗る。

肉巻きを樹木では巻き込みと言う。樹木では正しい位置で剪定すると、切り口の全周から巻き込みが始まり閉塞される。
そのためにはブランチカラー(枝の襟)と枝の境で切ることである。ブランチカラーは、枝を支えるために幹から張り出して膨らんでいる部分を言う。

切断する線を機械的に決めるなら、ブランチバークリッジ(幹と枝のつけ根部分にある樹皮が盛り上がった皺)と、バークリッジから枝に垂直に引いた線とを1/2に分ける線となる。

 

『農耕と園藝』2012年3月号より転載

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