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接ぎろう

公開日:2020.6.25 更新日: 2021.4.14

接ぎ木したときに、接ぎ木部位と接ぎ穂や台木を、溶けたろうで塗布する作業ろうづけ、これに用いるろうを接ぎろうと言う。

台木の露出部や接ぎ穂をろうで被覆して乾燥を防ぎ、雨水が接ぎ木部分に滲入するのを防ぐ。接ぎ穂をろう付けして冷蔵する場合もある。
接ぎろうは加熱溶解して用いる固形型(加熱接ぎろう)と、常温で使用できるように調合した液状型(常温接ぎろう)とがある。

固形型は松やに(松脂)4、白ろう(ハゼの果実由来)または蜜ろう(蜜蜂の巣由来)2、豚脂(ラード)1の重量比で作る。
樹脂とろうだけでは、塗付後に亀裂が入りやすいので、豚脂を加えて粘性を持たせる。
白ろうを容器に入れてとろ火で溶かし、これに松脂と豚脂を加える。
松脂が多くなれば硬く、豚脂を多くすれば柔らかくなる。使用する土地の気象条件に合わせて調合する。
湯煎で加熱溶解させた接ぎろうは筆や刷毛で塗布されるか、居接ぎした苗の接ぎ木接合部を瞬時に浸してろう付けされる。

液状型は松脂800g、豚脂100g、テレピン油50g、アルコール300gの配分とし、松脂と豚脂を鍋に入れ加熱溶解し、冷ました後に、テレピン油を注ぎ入れ、さらにアルコールを加えてかき混ぜる。
製品は広口びんに密閉し、使用時に筆で塗布する。
市販品の接ぎろうは、ダンマル(ラワン属樹木の樹脂)、カルナバろう(ブラジルロウヤシの葉由来)と揮発性植物油を混合した液状型である。

 

『農耕と園藝』2012年4月号より転載

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