HOME 読みもの なるほど園芸用語 接ぎ木テープ なるほど園芸用語 接ぎ木テープ 樹木接ぎ木マツ 公開日:2020.7.2 更新日: 2021.4.14 接ぎ木をしたときに、密着させた穂木と台木を結束すると同時に、接ぎ木面の乾燥を防止するために、接ぎ目の上から巻きつける合成樹脂製のフィルムテープを接ぎ木テープと言う。 テープには2つの種類があり、手先で伸ばしながら巻き締めると、自己粘着性を発現して固着する型と、粘着性がなく伸びが小さいので、巻き締め後は結わえて固着する型とである。 自己粘着性のテープはエチレン系とスチレン系の高分子化合物にパラフィンワックスを混合した合成樹脂で、プラスチックとゴムの両方の性能を持つ(「メデール」、「パラフィルム」などの商品名で流通)。 薄く延ばしたテープで穂木を巻くと乾燥を防ぎ、接ぎろうのろうづけと同じ効果を果たす。 接ぎ穂の芽はテープを破って発芽するので、テープの取り外しは不要となる。 後者の巻き締めテープには低密度ポリエチレンや軟質塩化ビニルのフィルムが使われる(「シバールテープ」、「接ぎ木テープ」などの商品名で流通)。 巻き締めた最後を一重で結んで固着させる。 穂木と台木の結束用の巻き締め材には天然素材の打ちわら、ラフィア(ラフィアヤシ葉の繊維)、ゴムなども用いられてきた。 打ちわらとは、打ち水したわらから葉鞘を取り、横槌で叩いて柔軟で腰を強くしたわらを言う。打ちわらはマツ類の接ぎ木苗生産でよく使われる。 活着して穂木が生育する頃には、結束材のわらは自然に腐って解ける。 『農耕と園藝』2012年5月号より転載 この記事をシェア 関連記事 2024.3.15 薬剤摘果 果樹栽培においては、着果過多になると隔年結果を引き起こしたり、果実の品質の低下を […] 果樹栽培薬剤摘果 2024.2.15 ハナヤサイの異常花蕾 ハナヤサイの花芽分化は、一定の大きさに生育した苗が一定の低温にあうと起こる性質が […] リーフィー毛羽立ちライシーハナヤサイ花芽分化ボトニング 2024.1.15 ビターピット リンゴの生理障害のひとつで、果実の主として中央部分から下の方にかけて発生する褐変 […] リンゴビターピット生理障害