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箒性

公開日:2020.7.9 更新日: 2020.5.15

幹の途中から、多数の枝が細かく分かれて上方向に伸びて、箒を逆さに立てたようになる樹形を箒性または箒立ち性という。

箒性の強い種では枝の分岐角度が小で、直立し、樹幅が小さいので、竹箒様の円柱樹形となる。この種では植物名に箒を冠して、箒桃、箒桜などという。箒性の桜にはサトザクラの「天の川」、「御車返(みくるまかえ)し」などがある。

箒性が自然樹形となる種に、カツラ、ムクゲ、ハナリンゴ、クロポプラ、ヒメシャラ、ナツツバキ、ケヤキ、ナナカマドなどがある。箒樹形を剪定誘引などで作る場合は箒仕立てあるいは箒作りと言う。
果樹の箒仕立てはキンカン、カボス、ハナユ、ザクロに適用され、主幹を高さ1〜2mで摘芯し、多数の枝を上方向に伸ばして仕立てる。

盆栽樹形の箒立ちはケヤキで見られ、苗木の幹を切り戻して新芽を吹き直させて箒に仕立てる。
キクの箒仕立ては嵯峨(さが)ギクと伊勢ギクで行われ、開花時に数本の茎を下部で束ねて箒の柄のようにし、花を目立たせる。

枝物生産用の花木も箒仕立てになる。花木の幹を地上から1m程度の高さに切断して台付けし、台上から箒立ちした枝を育てるので、母樹は箒作りとなる。

病気による箒立ちにはてんぐ巣病がある。この病菌に罹病(りびょう)した茎や枝からは密生した細い枝が箒立ちする。この箒立ちを日本では天狗の巣に例えるが、西洋では魔女の箒と呼ぶ。

 

『農耕と園藝』2012年6月号より転載

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