HOME 読みもの なるほど園芸用語 乾果 なるほど園芸用語 乾果 果樹果実分類 公開日:2020.8.6 更新日: 2021.5.12 果実は自然に熟すとき、乾果と液果に大別される。 果皮が乾いて、膜質か薄い皮革質になるものを乾果と言い、果皮が多肉質または液質となるものは液果と言う。 乾果はさらに果皮の裂開性から、裂開果(れっかいか)と閉果(へいか)とに分類をする。 裂開果である乾果の例 袋果(たいか):離生心皮の雌しべからでき、腹部で裂開する。トリカブト、シャクヤクなど。 豆果(とうか):背腹で裂ける。マメ科、フジなど。 朔果(さくか):多数心皮の子房からでき、心皮の境などで縦に裂ける。フヨウ、アヤメなど。 孔開朔果(こうかいさくか):子房の一部が裂け、穴ができる。ケシ、キンギョソウなど。 蓋果(がいか):果実の上部が蓋のようにとれる。マツバボタン、サクラソウなど。 角果(かくか):果皮が左右2片に分離しても中軸が残る。長い角果が長角果(ちょうかくか)でアブラナ科など。短い角果が短角果(たんかくか)でナズナなど。 閉果である乾果の例 痩果(そうか):1枚の心皮からなり、薄い果皮に1種子が包まれる。タンポポ、イチゴなど。 頴果(えいか):イネ科の果実。 翼果(よくか):散布に有効な翼を持つ。カエデ、アキニレなど。 堅果(けんか):果皮が木質化し硬い。ブナ、カシのどんぐり。 節果(せつか):豆果に同じで1種子単位で横に切れる。オジギソウなど。 分離果(ぶんりか):多数の子房からでき、熟すと心皮ごとに縦に分離して分果となる。セリ科、タチアオイなど。 『農耕と園藝』2012年11月号より転載 この記事をシェア 関連記事 2022.7.21 練り床 土と完熟堆肥を混ぜたものに水を加えて練り上げた床土に、種子を播いて育苗する方法を […] 育苗堆肥栽培 2022.6.14 地中温湯加温 地中に埋めたパイプに温湯を環流して地温を高めることを「地中温湯加温」といい、パイ […] キュウリ栽培塩化ビニル加温育成 2022.5.7 果樹の休眠現象 一般の落葉果樹や花木では、冬期間にある程度の低温を受けないと、春になって萌芽・開 […] 果樹栽培