HOME 読みもの なるほど園芸用語 乾燥果実(ドライフルーツ) なるほど園芸用語 乾燥果実(ドライフルーツ) 公開日:2020.8.13 生鮮果実の液果を乾燥させ、水分を少なくして腐敗や変質を防ぎ、長期の保存ができるようにした果実を乾燥果実と言い、ドライフルーツとも言う。 常圧下で乾燥させた乾燥果実は生果とは異なる風味になり、干し果実とも言われる。減圧下で乾燥させた果実は水を加えて戻すと、生果に近い風味や新鮮度が復元するので、脱水果実と言うべき製品になる。 干し果実は天日乾燥や人工加熱乾燥で生産され、乾燥が進む中で果実の成分組成が変化し、新鮮物とは違った加工品の風味を持つ。水分含量は25%前後に仕上げる。 脱水果実は真空乾燥や凍結乾燥で生産され、水分含量は10%以下であり、吸湿性が高いので、防湿性のフィルム袋に入れられる。 乾燥果実は種名に「干し」を付け、干しブドウ、干し柿、干しスモモ、干しアンズ、干しイチジクなどと呼ぶ。その他の干し果実には、リンゴ、バナナ、カラント、ナツメヤシ、マンゴー、ブルーベリー、パイナップルなどがある。 干しブドウは食材名のレーズンで流通し、褐色品をレーズン、淡色品をサルタナ・レーズン、マスカット種の果柄つきをマスカテルという。 レーズン用の主要品種は種なしのサルタナ(北米での呼称トンプソンシードレス)である。同一品種でも、カリフォルニアで作るレーズンは長期の天日干しのため、褐色になる。なおデーツは干しナツメヤシの、ころ柿とあんぽ柿は干し柿の流通名である。 『農耕と園藝』2012年12月号より転載 この記事をシェア 関連記事 2021.1.21 スピードスプレーヤー エンジンを搭載して高性能な動力噴霧機と送風機を装備し、走行しながら薬液を噴霧する […] 2021.1.14 干し柿 カキ果実を剥皮して乾燥果にしたものを干し柿といい、あんぽ柿と枯露(ころ)柿がある […] 2021.1.7 偽球茎 地下茎が塊状ないし球状に肥大したものを、塊茎および球茎と言う。これがラン科植物で […]