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植木鉢をつくる

公開日:2020.8.4

こんにちは、づみたんです。

ようやく全国的に「夏」が訪れましたね! 記録的な長さで滞在していた梅雨前線も去り、短いながらも暑い夏がはじまりそうです。

さて、そんな本日は「植木鉢」の話でも。

世界的な規模で新型コロナウイルスが拡がり続けている2020年。今後数十年続くのでは?とまことしやかに囁かれる自粛生活が長引く昨今、日に日にわが家で増えていくのは、生活を共にする植物たちです。

植物が増えるということは、自動的にその植物たちが暮らす家、「植木鉢」も増えていきます。

植木鉢を選ぶときはまず、その植物の生育環境や性格に合わせた保水性や通気性を考慮して、大きすぎないことや小さすぎないことなどを考えます。大きすぎると土の量が多くなり、土の乾きも遅く根腐れの原因にもなりかねないですし、小さすぎる鉢では、根が詰まってしまう可能性があります。

しかし、世の中には様々な鉢があるにも関わらず、程よいサイズ感の鉢を探してみると意外と難しく、大きさがぴったりでもどこか雰囲気が違うように思えて悩んでしまったりします。直感的にコレだ、という代物が見つかることもあるのですが、毎度鉢探しは難航気味。

ということで! 理想的な鉢を求めて、私はついに「植木鉢」を自分でつくってみることにしたのでした。

植木鉢と言えば「園藝探偵の本棚」の「第2回 そこにある鉢植えの意味とは」でも紹介されていた、

「なぜ人は、植物を鉢に植え、身近に置き、育てるのだろうか」という大きな問いを主題にした回がとても素敵なので、ぜひ読んでみて下さい。

さて、ソーシャルディスタンスと十分な換気・アルコール消毒・三密を避けた環境など、万全のコロナ対策を期して、いざ初めての陶芸体験です。

今回、足を運んだ陶芸教室では「手びねりコース」と「ろくろコース」が選べました。優柔不断な私は、鉢の質感や仕上がりのたたずまいを見比べ、さんざん迷った挙句、「手びねり」のコースに挑戦することに決めました。

手びねり由来の「手づくりの植木鉢を作っている」という感覚と、自分らしさや独特のあじわいがより出やすそうな造形方法で挑むことにしました。

決して見学のときに見た、ろくろの上で巧みに器を形作る職人のような生徒さんたちに慄いたわけではありません。もちろん、(て、手びねりの方がまだ難しくないかも…?)と慌てふためいたからでもないのです。

そう、「あじわい」です。

コースが決まれば、まずは「白土」や「赤土」といった土の種類を選択! 私はこのとき淡い色合いの鉢を探し求めていたので、薬剤を塗っても比較的薄い色に仕上がる「白土」を使うことにしました。

選んだ土はこんな色。まずは土をまあるくこねます。

一通りこねたら、ゆっくり希望の器の形へと造形していきます。土と土の繋ぎ目を指で消していくのがポイントだそう。

だんだんと形ができてきたら、次は模様をつけていきます。

櫛のような木べらでなぞったり、判を押すように絵柄を漬けたりと試行錯誤。陶芸教室の先生から「土と土の繋ぎ目を消すことは可能ですが、模様を付けた後はできるだけやり直しがないように、あまり消したりしないでくださいね!」との指導が入ったので、ちょっとだけ緊張します。

赤土を選んだお隣の人の絵付け。四葉のクローバーがくっきりと浮き上がっています。こ、こんなにしっかりできるかな……。
下の数ミリは、ようやく植木鉢らしさを感じられる「穴」をあけるために残します。

土をこね、形をつくり、ていねいに整え、飾りをつけたら……

完成です!

今回は、〇の中に小さな花が咲いているようなデザインにしました。くっきりとした模様ではないのですが、近づいてよーく見ると小花が浮かび上がります。薬剤は白色のものを選択。

肝心の植木鉢の底の穴は、陶芸教室の先生が付けてくれるとのこと。穴が上手に開けられるようになったら素敵だなあ、と思っていたのでちょっと残念ですが、まだまだ陶芸初心者。右と左くらいしかわからないので、さまざまな技法は今後ゆっくり覚えて行きたいです。

ちなみに焼き上がりは来月頃の予定。わくわくしながら待っていたいと思います。

多肉植物や観葉植物、盆栽のマツなどを入れるために……と始めた陶芸ですが、土とのふれあいや、黙々と手作業を繰り返す静かで充実したひとときは、想像以上にたのしい時間でした。

 

いつのまにか、家には一鉢、二鉢と手づくりの植木鉢が増えていくかも…?

 

それでは、また次回お会いしましょう!

編集部のづみたんでした。

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