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信州安曇野産『夏あかり』と貯蔵リンゴ『ふじ』を食べ比べてみた!

KILO808
公開日:2020.8.11

こんにちは、KILO805です。関東甲信では8月1日の梅雨明けとなり、平年に比べ11日も遅くなったそうです。ここ最近の極端な気象現象のせいでしょうか、豪雨災害も発生し、農産物の市況にも影響を及ぼしています。

今回は、文京区本郷にある小さい青果店『むさしや』からみた農産物の市況とともに、夏に食べても美味しいリンゴ品種『夏あかり』の食べ比べをリポートします。

東北を飛び越して北海道産が出回りだした8月上旬

「飯島さん、やっと梅雨明けしたね。豪雨災害もあって、市場の変化を何か感じてますか?」

「野菜がね、大田市場では東北を飛ばして北海道産が出回るようになってきたね。特に函館産のキャベツやダイコンが増えてきているのが印象的なんだ。8月中旬には道央、道東のジャガイモが出荷されてくると北海道産の農産物がプライスリーダーとして幅を効かせてくるんだ。

「東北産が豪雨で出荷ができなくなってしまったのかな。そうすると消費者は平年よりも高い値段で野菜を買わざるを得なくなるね」

「そうなんだ。東北ではないけれど、ジャガイモに関して言うと、静岡県三方原のジャガイモ『キタアカリ』の出荷量が少なくて店頭価格が高くなってしまうので、うちでは千葉県産の品種『とうや』を仕入れたんだ。『キタアカリ』はごつごつ感が強いんだけど、『とうや』はころんとしていて、うちのお客さんにも評判もいいです。代替品でカバーしているって言うのが小売店の現状かな」

千葉県産ジャガイモ『とうや』。もっちりとした食感があり、煮崩れしにくいのでカレーやシチューなど煮物に良いそうだ。ポテサラにも半マッシュ(ごろごろ感を残す)で使ってみたい

「果物類に関してはどうですか?」

「山形県鶴岡のアンデスメロンの集荷場が水害の被害にあったそうです。総出荷量の7パーセントが出荷できなくなったと聞いてます。とても残念です。他の地域だと、モモについては大田市場への最終出荷産地の信州松本はしっかりと出荷してきています」

「被害にあった地域の農産物を、ネットを通じて販売する動きもあって、救われる気持ちにもなるけど。被害全体をカバーすることはできないよなぁ。国の支援が必要ですね」

高騰する『ふじ』の代わりに、店頭をにぎわすリンゴは?

信州安曇野産『夏あかり』。8月6日の相場では32玉で6,500円だったそうだ

品物不足で単価が高騰する中、むさしやさんでは品種を変えて価格を抑える戦略をとっている。夏のリンゴもしかりだ。通常、貯蔵の『ふじ』をこの時期に取り扱うのだが、箱単価1万円を超えてきてしまった。引き合いが年間通じてあり、信州物の在庫が少ないという情報をもとに、商品を求めて青森に発注が集中したと飯島さんは話す。

むさしやさんでは『夏あかり』を1玉240円で販売していた。

「お盆近辺になると、『つがる』の早生や『つがる姫』が出荷され、『祝(いわい)』などの青いリンゴも出回るようになるんだけど、それまでの期間、高騰する貯蔵『ふじ』ではなく、出荷したての信州安曇野産『夏あかり』を店頭にだしてます。それでもちょっと高かったけどね」

右が『夏あかり』、左が『ふじ』。『夏あかり』は『ふじ』に比べ小振りだ。色つき、つやに関しては『夏あかり』に分がある

ということで、今回は貯蔵リンゴ『ふじ』と出荷したての『夏明かり』の食べ比べをしてみたいと思います。

貯蔵リンゴが大健闘! 夏のリンゴを頬張る幸せ

上段が『夏あかり』、下段が『ふじ』。甘いリンゴの香りが漂う。良い香りの果物は、気持ちをリッチにさせる。なんちゃって

今回購入した『夏あかり』は『ふじ』より一回り小さなものでした。色は赤みが強く、持った感じは、身が引き締まっている印象を持ちました。一方、『ふじ』は大きさの割に軽く感じられ、握ると実が凹んでしまう感触でした。

二つに来てみた様子。左列が『ふじ』、右列が『夏あかり』タネ周りの空間が『夏あかり』は少ない
糖度を測るために花尻近くの果肉の糖度を計測しました

糖度については、『夏あかり』は12度、『ふじ』は8.5度でした。実際の食味は、『夏あかり』の爽やかな酸度が強めで、糖度の値ほどの差は感じられませんでした。食感に関していうと、『夏あかり』はシャキッとしっかりとした歯ごたえがあり、同時に弾ける果汁も申し分なく、とても美味しいリンゴとして頂くことができました。

『ふじ』は貯蔵品の宿命か、歯ごたえがなく、若干果肉がふわふわ(ぼやけている)していました。果汁も少なく、比例してか酸味も弱いので、意外と甘さだけで見ると差は感じられないということなのでしょうか。

切ってみた感じ、『ふじ』は若干ふかふかしてますが、わたくしKILO基準で許容範囲内。果肉はみるみる黄色くなってしまいました。一方、『夏あかり』は、ジューシーで、サクッとした歯ごたえが楽しめます
小二の次男がブラインドテスト。『夏あかり』の方が美味しいという結果になりました

そして実は私、歯ごたえのないスカスカなリンゴが大好きなのです。果汁はちょっとでいいのです。スカスカリンゴは量が食べられてお腹もいっぱいになる、私にとって満点リンゴなのです。貯蔵『ふじ』だって、充分美味しく頂けます。KILO的には貯蔵『ふじ』は大健闘していると思います。

『夏あかり』をむいた後、包丁の切れ味で、可食率が変化するのではと思い、ホームセンターで買っておいた砥石で包丁を研いでみました。「切れ味がモッサリとなった」と酷評しムスッとした妻が剥いた結果、研いだ後の『ふじ』の可食率は低下。「おこづかいをあげる」って言ったほうが可食率が上がりそうです

ちなみに可食率は、『夏あかり』66.9%に対し、研いだ包丁を使った『ふじ』は61.7%でした。『ふじ』の可食率の方が良くなると考えたのですが、カットする妻のメンタルが多大に影響しているように思えました。

夏のリンゴ、8月の2週目は『つがる』の早生と『つがる姫』が出回り始めます。青リンゴ系の出荷もはじまり、週ごとに品集が変わるリンゴを食べるのが楽しみです。それではまた。

次回、KILOのブログは9月10日の予定です。

 

追伸

このあと、塩水にさらしてリンゴを食べてみましたが、甘みに関してはふじと夏あかりはそんなに違いは感じられませんでした。貯蔵『ふじ』の方が塩気によって甘みが引き出されているように思いました。

食感だけの違いで、自分の好みはやわらかめの食感を楽しめる貯蔵「ふじ」だったかな。

シャキッとした食感は「夏あかり」の勝利です。

次回、リンゴを食べるときには、塩水につけておく時間や濃度で、甘み、食感が違ってくるのか実験してみるのも良いかもしれませんね。

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