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戻し交配

公開日:2020.8.27

交雑によって作り出した雑種後代(子供)に、両親の片方を交配することを戻し交配、または戻し交雑という。この片親は反復親と呼ばれる。ある生物の持つ特性を、その特性を持たせたい別の生物に付与するために行われる育種法である。

取り込みたい特性を持つ親は最初の交雑に使うので1回親と呼び、その特性を取り込ませたい親は交配に繰り返して使うので反復親と呼ぶ。

戻し交配を連続して行う場合には、特に反復ないし連続戻し交雑と言う。反復戻し交雑によって、反復親の有用遺伝子群を雑種後代に集積させ、ホモ接合体の状態に近づけることになる。 この育種法は、異種や近縁野生種から病害抵抗性遺伝子などを栽培種に導入する際に、また既存の雄性不稔性の細胞質を別品種に導入する際に用いられている。

さらにはF1雑種と劣性形質の遺伝子を持つ親とを戻し交雑し、次代の分離比から遺伝子構成を確認する検定交配にも応用されている。 前者の例を野菜で挙げると、キャベツの持つ軟腐病抵抗性をハクサイに導入、トマト属の野生種から根腐れ萎ちょう病およびモザイクウイルス抵抗性を導入したトマトのF1品種、根こぶ病抵抗性のカブを1回親として抵抗性を持つハクサイF1品種の育成などがある。

タマネギの雄性不稔では、細胞質雄性不稔性品種を母親とし、他の優良品種を反復親にして細胞質を取り換えることで優良品種の雄性不稔系を作る。

『農耕と園藝』2011年1月号より転載

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