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窓と目のある植物

公開日:2020.9.10

多肉植物の葉やシュートが球形や舟形の種において、葉の頂端と推定される部分に限って葉内部に同化組織が形成されないで透明になっている場合があり、この透明部位を窓あるいは目と言う。そのような植物を『窓のある植物』あるいは『目のある植物』と呼ぶ。

葉の表面全域が半透明な窓もある。球形葉や船形シュートでは、葉の表面と裏面との境界が不明確で、その境界域が窓になる。表裏が明確な単一の多肉葉でも、表皮細胞の一部が巨大なレンズ細胞になり、その細胞の下部には同化組織はなく、細胞間に挟まれた普通の表皮細胞の内部に同化組織が存在する種類もある。

この場合は窓を細分した形でレンズ細胞が窓の役を担う。 窓からの採光は強光を緩和すると推定され、窓表面をレンズ様にふくらませて光を屈折拡散させるなどして、同化組織に達する光量を1/4〜1/10に減らしている。窓から入った光は葉の内側から葉の側面にある同化組織に当たる。

窓を持つ植物にメセン類と呼ばれるアフリカ南部原産で小型のツルナ科多肉植物がある。メセンは学名由来の略称で女仙の字を当て、刺のないサボテン(仙人掌)を想像させる。原生地での植物は砂に埋もれ表面のみを地表に出し、目が採光装置である。

メセンの園芸品種に「光玉」、「群玉」、「五十鈴玉」、「秀鈴玉」などがある。他の窓のある多肉植物にユリ科の「玉扇」、「万象」、「竜鱗」、「玉緑」、「寿」、「宝草」などが、キク科では「緑の鈴」、「弦月」がある。

 

『農耕と園藝』2011年3月号より転載

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