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香篆性および雲龍性

公開日:2020.10.1 更新日: 2020.8.26

木の枝が左右に屈曲しながら伸びることでよじれ曲がった形状になる性質を香篆性(こうてんせい)または雲竜性と言う。

香篆とは篆字を刻んだ器の刻みに香を詰めてくべる香炉を言い、そこから立ち昇る香煙の様子と枝振りとが似ているとして香篆性の名が付き、また雲竜はうねりのある枝ぶりから雲の中の竜のくねる姿を想定して付けられた呼び名である。

雲竜性の程度には強弱が存在するが、この形質を現す種に、ウメ、ヤナギ、ボケ、カラタチ、ハナモモ、ツバキ、チャ、ナツメ、ツツジ、サクラ(オオシマザクラ、マメザクラ)、グミなどがある。一般には植物名の前に香篆あるいは雲竜を冠して、ウメでは香篆梅(こうてんばい)または雲龍梅のように言う。

カラタチには雲竜と飛竜の2品種がある。雲竜は刺が短くずんぐりし、小葉は細い糸状で、油胞はいぼ状になる。飛竜は枝がくねり、刺が枝の元の方に曲がる。カラタチはカンキツトリステザウイルスを樹体内で増殖させない抵抗性を有し、カンキツの台木に使うと樹形が小型化するなどの優れた性質を持つ。飛竜を台木にすると樹形はいっそうコンパクトになる。

枝の伸長や分枝が通常とは変わっている形状を、趣味園芸では枝の芸と言い、芸があると評価されると品種として流通する。枝の変化ものには雲竜性のほかに箒(ほうき)性や枝垂れ性、八房性、短枝型、石化などがある。その多くは生け花の切り枝に利用される。

 

『農耕と園藝』2011年5月号より転載

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