HOME 読みもの なるほど園芸用語 反射光利用による病害虫防除 なるほど園芸用語 反射光利用による病害虫防除 キュウリイチゴトマト病害虫防除マルチ 公開日:2020.11.5 更新日: 2021.4.26 昼間の活動昆虫の中には、近紫外域を含む強い反射光を忌避する習性があることを利用して、銀白色のマルチングの反射光によって害虫の飛来防止・被害軽減を図る防除法を反射光利用による病害虫防除という。光を用いて行う物理的防除の1つである。 昆虫の種類により反射光への行動が異なり、アブラムシ類は忌避、アザミウマ類は方向音痴になり行動が混乱すると推測されている。 反射光による防虫効果が確認されている害虫には アブラムシ、アザミウマ類、キスジノミハムシ、ウリハムシ、シロシタヨトウ、ウラナミシジミなどがある。 しかし忌避効果と逆の誘引効果になる種類に コナガ、モンシロチョウ、ハスモンヨトウなどがある。 マルチング資材の全面で光を反射させると、地温の上昇効果が小さく、資材費も高くなるなどの欠点があり、これを補うために銀色の反射帯を縞状にし、地色を透明、黒、緑にした反射マルチ資材が作られている。 また反射テープにして空間に設置し、銀白色マルチの反射率が低下した時の補助手段にされる。 反射率の高い銀白色のマルチングで防虫効果が大であるが、有翅虫の飛来を完全に防ぐことはできない。 被覆面積が少ない場合や、作物の茎葉が繁茂してくると、反射が小さくなり忌避効果が低下する。 防虫効果の高い作物には、葉菜類とトマト、サヤエンドウ、イチゴ(親株)、キュウリがある。 『農耕と園藝』2006年5月号より転載 この記事をシェア 関連記事 2023.6.10 蒸散抑制剤 植物の体内の水が水蒸気として空気中に排出される現象を蒸散という。表皮細胞を通じて […] 栽培蒸散抑制剤 2023.5.27 トマトの尻腐病(しりくされびょう) トマト果実の花落ちの部分が水浸状となり多数の小黒点ができ、さらに進むとその部分が […] 土壌栽培尻腐病トマト 2023.4.20 忌地(いやち) 同じ土地に同じ作物を繰り返し栽培したり、近縁の作物を連作すると収量が非常に減るこ […] アレロパシー忌地原虫害