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なるほど園芸用語

間引き

公開日:2020.11.19

植物を種子から育てる場合には、全部の種子が発芽しないために、必要とする個体数よりも多くの種子を播くが、苗の生長に伴って過密状態となるので、苗を除去して適正な間隔にする必要がある。

適正密度にするために行う苗の除去間引きと言い、その作業を間引き作業と言う。また間引いた苗を食用にするときには、これを間引き菜と言う。

苗が密集しすぎていると、日当たりや風通しが悪くなるだけでなく、根を張る土壌空間を共有するため、日光や肥料分や水分を奪い合うので、全ての苗が健全には育たない。間引くことで残した苗が健全になる。

間引きは一度に行うのでなく数回に分け、苗の生長に合わせて葉が触れ合うくらいになったら、そのつど間引くのが望ましい。
発芽直後の幼植物は、密生させて生育を良好にする育ちの効果を狙い、間引き後の幼植物では、病害虫の被害や環境の変化で起こる苗の損失の危険性を補償する効果を狙う。

間引く対象は徒長した苗、極端に大きい苗、生育不良な苗、間隔が密な苗、変形苗などである。

間引きを省略する方法として、被覆種子、播種機、シーダーテープ、セル成形苗の利用が行われる。
しかし根菜類は移植すると根が分岐するので、セル成形苗の利用はできない。

播種間隔を短くして1粒播種にし、良苗の確保と苗の間隔を間引きの目安にした作業の能率向上が図られている。

 

『農耕と園藝』2006年7月号より転載

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