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風と土からうまれるもの

づみたん
公開日:2020.11.10 更新日: 2020.11.11

こんにちは、づみたんです。

朝晩は冷え込むようになり、もうすっかり秋ですね。指先の温度が気になるようになれば、冬はすぐそこ。

いつの間にか年末の足音まで聞こえてくるようですね。

さて、そんな本日は「伝統野菜」のお話でも。

先日、親戚の法事の関係で滋賀県の近江八幡市へ行く機会がありました。

滋賀県の中部に位置する近江八幡市は水郷で有名な城下町。歴史的建造物や風情ある街並みが残る近江商人のふるさととしても知られています。

そして、こちらはそんな近江八幡で出逢った伝統野菜、北之庄菜です。

しもぶくれのぽってりしたフォルムが愛らしい北之庄菜。

北之庄菜は近江八幡市北之庄地区で江戸末期から栽培されてきた伝統野菜。

漬物用としても自家栽培が主でしたが、食生活の変化とともに昭和40年頃には消滅してしまったそうです。それが21世紀に入り、偶然にもマッチ箱の中に保存された種が発見され、その味が見直されたことから、北之庄地区で再び栽培が始まったといいます。

また、同じく滋賀県の名産で、滋賀県日野町が発祥地の「日野菜」が変異した種であると考えられています。

細長くシュッとしたフォルムが凛々しい日野菜。

北之庄菜はカブの仲間で、葉全体は緑色、茎と葉脈は紫紅色をしています。光があたる地上部は紫紅色で地下部は白色になっています。

肉質は緻密で、適度な甘みや辛味があり、サラダなどの生食や、少々アクのある味わいが煮込み料理にも適しているそう。そのほか、辛みを活かしてキンピラなどの炒め物にも活用できるようです。私はマイタケやミョウガと共にお味噌汁に入れてみました。

一口齧るとカブとダイコンの中間のような食感、そして適度な甘みと辛みに出逢いました。初めて食べたのにどこか懐かしい味がする、とはきっとこのことを言うのでしょう。

お椀の右手奥に並ぶのはぬか漬けにした日野菜です。

栽培面積がまだまだ少ない北之庄菜は、手に入れるのが困難とされているそう。たまたま市内のマルシェで出逢えた私は、買った後にその事実を知り、大切にいただきました。

伝統野菜というのは、その土地の気候風土にあっているだけでなく、地域の人々の精神や思想を含んだ、機構や地形、植生など、人間を取り巻く自然条件すべてが生み出した特別な農産物なのだと思います。

きっと、私が知らないだけで、さまざまな歴史を持った伝統野菜が世の中にはたくさんあって、ふとしたきっかけで生まれたり失われたりする品目・品種も、星の数ほどあるのだと思います。

それらを知りたいと思うと人生が100年あっても200年あっても足りない気がしてしまいますが、少なくともその事実を忘れずに過ごしていきたいなぁと思いました。

 

ちなみに近江八幡名物の「赤こんにゃく」も煮てみました。諸説ありますが、派手好きで有名な織田信長が作らせたとか。見た目はずいぶんとエッジが効いていますが、やさしいお味です。ぜひ。

 

それでは、また次回お会いしましょう!

編集部のづみたんでした。

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