HOME 読みもの なるほど園芸用語 周皮と周皮蒸散 なるほど園芸用語 周皮と周皮蒸散 樹木 公開日:2021.2.4 更新日: 2021.5.25 茎や根の表皮下に形成され、表皮が剥がれた後は替わって保護組織になる層を周皮といい、コルク形成層、コルク皮層、コルク組織の3層からなる。 表皮下の皮層にコルク形成層が作られ、これが細胞分裂して、内側に生きた細胞のコルク皮層を、外側には細胞壁がスベリン化して死んだ細胞からなるコルク組織を形作る。周皮は茎などが障害を受けた場合も、障害部分の保護組織としてできる。 コルク組織の細胞は隙間なく互いに密着し、細胞壁にスベリンときにはリグニンも沈着させ、ガス不透性の層を形成し、水分の消失を防ぐ。 コルク皮層はスベリン化せず、二次の皮層として機能する。ダイコン貯蔵根表面の皮は周皮である。 木本植物の樹皮外観は、周皮のでき方で決まる。 樹皮には皮目がある。皮目は周皮の中で細胞の密着が粗な部分である。 周皮表面を通しても水分蒸発が行われ、これを周皮蒸散という。その量は極めて少ないが、周皮の構造や密度、皮目の浸透性、樹皮における亀裂の有無で決まる。 粗い樹皮のポプラ、カシワ、カエデおよびマツの幹は、なめらかで密度の高い樹皮のトウヒ、ブナおよびカンバ類よりも多くの周皮蒸散を行っている。 夏季の周皮蒸散量は2.7〜27㎎/㎡・秒 程度である。これは温帯地域の可能蒸発量の約1%に相当する。 『農耕と園藝』2003年5月号より転載 この記事をシェア 関連記事 2024.3.15 薬剤摘果 果樹栽培においては、着果過多になると隔年結果を引き起こしたり、果実の品質の低下を […] 果樹栽培薬剤摘果 2024.2.15 ハナヤサイの異常花蕾 ハナヤサイの花芽分化は、一定の大きさに生育した苗が一定の低温にあうと起こる性質が […] 花芽分化ボトニングリーフィー毛羽立ちライシーハナヤサイ 2024.1.15 ビターピット リンゴの生理障害のひとつで、果実の主として中央部分から下の方にかけて発生する褐変 […] リンゴビターピット生理障害