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【切花】キンギョソウについて 2020年12月

公開日:2020.12.16 更新日: 2020.12.18

キンギョソウは茎の先端に穂状に花をつける植物。

花の色は白、黄色、ピンク、オレンジ、赤、パープル、複色系が基本色としてある。

色別の年間実績をみると、円グラフのようになる。

大田花きにおける切り花キンギョソウの年間色別取り扱い本数の割合(2019年度)

その他というのはMIXでの出荷だ。多くはピンク、白、黄色となる。業務用での利用が多い一面があり、白が多い。

月別の流通本数、単価推移は次のグラフになる。

大田花きにおける切り花キンギョソウの月別取り扱い本数と単価(2019年度)

10月頃から出荷があり、11月から流通本数が一気に増え安定する。3月の需要期に最大の本数となり、4月まで安定的に流通し、5月になると終了を迎える。

花きの品質は、茎が固く長さも80cm以上が良いとされている。花の切り前は用途と気温により、3~4輪開花から7~8輪開花までと幅がある。自宅でじっくり開花を楽しんでいただくのなら、やや固い切り前がいいだろう。業務の装飾ですぐに使う、ということなら、よく開花した状態が良い、ということだ。

今期は業務需要になにかと不安があり、一方で家庭用需要が伸びている面があるとみている。とある全国生花チェーン店における店頭販売部門のホームユース向け売り上げは前年比130%だと伺った。冬から春にかけてもこの状況が続くとすると、やや固めの切り前の需要が増える可能性が高い。状況を判断しながら、生産者の皆さんには調整をいただければと思う。

ずいぶん前から野山で映える草花の需要が高まっている。ラウンドブーケに束ねる使われ方もあるが、すらっとした草姿や直線的な茎や枝を活かすよう、花瓶にざくざくと飾ることもある。

キンギョソウも原生地であるピレネー山脈での写真をみると、細い茎で穂もしなやかな感じだ。きっと栽培方法の工夫次第で茎はすらっと細く、しかし固い仕上げ方ができるのではないかと思う。草花の需要拡大のトレンドにキンギョソウも伴走しようとするなら、仕立て方について今一度検討いただきたい。

オランダのbloomonというネット花屋さんがある。サイト検索を試みていただければ、「ああ、こういうのがトレンドなのか」ということをご理解いただけるかと思う。

画像は世界中で共有されるので、飾り方スタイルはオランダだけではない。世界中を駆け巡って、日本でも共有されるだろう。

 

著者プロフィール

桐生進(きりゅう・すすむ)

株式会社大田花き商品開発部を経て2009年から同所所長。
花きのトレンド、物流効率化など幅広い分野を研究。
毎年、花き業界のマーケティング資料であるフラワービジネスノートを制作し発売している。

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