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伊勢の「神宮農業館」は日本最古の産業博物館!

とぅーす
公開日:2021.1.12

はじめまして!農耕と園芸編集部に仲間入りしたとぅーすです。
旅行が趣味なので(新型コロナ流行で自粛気味ですが…)、日本各地の雑多なことをブログに書くことが多くなるかと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

昨年末に三重県に行く用事がありましたので、「一生に一度は行きたい」と思っていた伊勢神宮にお参りしてきました。
当時はまだ「Go To トラベルキャンペーン」もやっていて、神宮は大賑わいでした。

その道中で発見した『神宮農業館』。
農耕と園芸に携わる者として、「農業」の名の付く所には飛び込むべし!と、行ってみました。

「神宮徴古館」のそばにひっそりと建つ「神宮農業館」
美しい建築。平成元年まで倉田山にあったものを復元。東京国立博物館 表慶館や迎賓館(旧東宮御所)を担当した 片山東熊の設計。

伊勢神宮の賑わいが嘘のように、閑散としています。入口から入ってすぐのパネルに、農業館の説明が。
パネルのタイトルは『ちょっと怖い農業館』…。かつての農業館は暗くて少し不気味な雰囲気だったと来場者の声が載っています。

受付に職員はいなかった。

展示は、皇室や神宮が関わる農業分野の祭典や行事の紹介が全体の半分ほどでした。
「神宮」農業館で、残りの半分は一体何を展示しているのでしょうか?

その答えは、「田中芳男」。
彼が収集した様々な資料を多数展示・解説しているのです。

この田中芳男は、日本の博物館の生みの親とも言えるもの凄い人物です。
彼の功績の一部を紹介すると、

  • 国立科学博物館や上野動物公園の開設に関系
  • 輸入作物の栽培試作の第一人者(白菜やアスパラガスなど)
  • 西洋リンゴを在来種に初めて接ぎ木
  • 新種のビワを作る(田中ビワ。現存)
  • 夏ミカンの発見
  • 水産という用語の発明
  • サケやマスの人工孵化技術の導入
  • 人造石による住宅建築の発案

これだけ挙げても全然足りないと言えるほど、彼の成し遂げたことは多いです。

1890年に博物館の建設を「神苑会」依頼された田中芳男は、農林水産業、畜産、園芸など幅広く資料を収集し、翌年農業館を開設します。明治時代、文明開化により様々な文化が到来するなかで「国産の源を開く」と農業の重要性を説き、資料の収集、展示、解説を自らで行いました。

閑散としていた神宮農業館ですが、展示は非常に魅力的なものばかりでした。
様々な動物たちのはく製は、動きがついていて、表情豊かです。なんと、明治40年代ごろに作製されたものだそう。
緻密で美しい蠟細工の模型も数多く展示されていました。きのこ類は大正初期、果物、野菜、薬草、蚕蛾、鶏卵などは昭和初期のもので、計200点を収蔵しているそうです。
歴史ある館なので、一部展示ケースも年代もの。いわゆる「大正ガラス」が用いられており、クリアーではなく、少しゆがみがあります。レトロな雰囲気でとても素敵です。
他にも素晴らしい展示品がたくさんありました。その一つ一つからは、田中芳男が込めた思いが感じられるような気がしました。

農業館は、人間と自然の産物との関わりに目を向けた日本最古の産業博物館であり、「自然の産物がいかに役立つか」がテーマだそうです。
日本の農業技術の発展とその普及に力を尽くした田中芳男の思いを守り続けていることを、見学して感じました。
伊勢参りに訪れた際は、皆様も立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

建物名:神宮徴古館・農業館
住所:〒516-0016 三重県伊勢市神田久志本町1754-1
電話番号: 0596-22-1700
料金:大人500円 小中学生100円
営業時間:午前9時~午後4時(観覧は午後4時30分まで)
休館日:毎週木曜日(祝日の場合はその翌平日)、毎年12月29日~31
HP:http://museum.isejingu.or.jp/index.html

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