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仮葉と仮葉枝

公開日:2021.3.4 更新日: 2021.3.25

葉柄と葉身が区別できる葉を分化するものの、葉柄に相当する部分が葉身と同じ構造に変わった葉があり、これを「仮葉」あるいは偽葉という。
仮葉は扁平化していることが多く、また仮葉での葉身は退化していることが多い。アカシアでは芽生えのときは複葉で、その後に展開してくる葉では葉柄が発達して単葉のような仮葉になる。

茎が扁平になったもの扁茎と呼び、その形状が葉に類似するものを特に「仮葉枝」または葉状枝という。本来は茎である部分が葉のように扁平な形態や同化機能を行うようになった茎の変態である。
主軸と側軸とがともにこの状態になったものにウチワサボテン・カニサボテン・カンキチク(タデ科)などがあり、主軸が正常で側軸だけが扁平になったものにナギイカダがある。

アスパラガスは糸状の繊細な仮葉枝を密生する。観賞用アスパラガスのクサスギカズラ・スギノハカズラ・シノブボウキなどは仮葉枝が観賞対象である。

アスパラガスの地上に出芽した茎には刺状鱗片葉が着生し、その葉腋から3~5個の針状または扁平葉状の仮葉枝を群生する。一群の仮葉枝は節間が極度に短縮した分枝系とみなされる。アスパラガスの仲間は南アフリカなどの乾燥地が分布の中心であり、強度の乾燥気候下で植物体からの水分の蒸発散を防ぐために、扁平な葉に代わって表面積の小さい茎で光合成を営むように進化したと考えられている。

 

『農耕と園藝』2009年3月号より転載

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