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なるほど園芸用語

斑入り

公開日:2021.3.11 更新日: 2021.4.21

葉肉細胞の一部または全部にクロロフィルの形成が起こらず、その部分が白色または黄色になり、外見上斑状または白子状を示す葉を狭い意味の「斑入り」という。
葉のみならず茎・果実・種皮・花弁などに地色と部分的に異なる色の生ずるものを広い意味の斑入りという。
斑の入った変わり品種は斑入り植物と呼ばれ、その珍貴性から鑑賞価値の高いものとして尊重されている。

斑入りの原因は、その多くが遺伝的変異でクロロフィルの欠失が生じることによるが、そのほか栄養障害や薬害による場合(鉄欠乏や苦土欠乏など)、ウイルスや細菌による場合(チューリップ花の斑入り、細菌斑点病など)、物理的原因による場合(細胞内に気泡を有するため──ベゴニア・ペペロミアなど、表皮の凹凸による光の乱反射──ユキノシタ・カンアオイ・マタタビなど)がある。

斑の入り方により、次のように園芸上いろいろな呼び名がある。

  • うぶ 葉の全部が白色か黄色になる。白の場合は遺伝学上ではアルビノ、黄をキサンタと呼ぶ。
  • 覆輪 周縁部が白の場合をいい、遺伝学上はマルジナータという。
  • 中斑 覆輪とは白と緑が逆になり、葉の中が白の場合。こちらも遺伝学上はマルジナータという。
  • 条斑 縦に白色の筋が入る。
  • 切斑 中央部から上下の半分が異色。
  • 虎斑 横に白色の縞模様。
  • 掃込 ブラシでなでたような白色の縞。
  • 砂子斑 砂を散らしたような点状の白色斑。
  • 爪斑 葉先が白色の場合。

 

『農耕と園藝』1984年3月号より転載

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