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カルチべ市場動向

【鉢物】球根について

公開日:2021.2.10

1月から3月にかけて球根植物の鉢物が出回る。植物の種類としては、チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、ムスカリ、アネモネ、フリージア、ラナンキュラス……これらがメジャーな品目となるだろうか。

これら7品目の出回りについて、月別にグラフにしてみた。縦軸は、大田花きの球根鉢物というカテゴリーにおける7品目のシェア(%)だ。同じ球根植物類でもカラーなどは5月の母の日に流通が増えるが、このグラフではその他という分類にまとめている。

(大田花きの取扱データより作図)

ここでは主に秋植え球根植物をピックアップしてみた。

商品として流通するサイズは、5寸から4寸サイズが主なサイズとなる。家庭用が主たる用途だが、ギフトにも用いられる。
月ごとの出回りを11月からみると、スイセンに始まり、1月のヒヤシンスで流通鉢数がピークとなり、チューリップが3月に増え、4月のラナンキュラスで締めとなる。毎月、流通量が最大となるアイテムが変わるものだから、消費者の方に常に変化を提案できるのではないかと思う。

ところで昨年一年間の様々なデータから、ガーデニング需要が拡大した年だったことがわかる。毎月発表される家計消費データをみると、毎月の園芸植物、園芸用品への消費支出額は前年2019年を上回っていた。さらに10歳刻みの購入額でみても、盛んである。新規に園芸を始めた方が大勢いらっしゃったと思う。

(2020年の家計消費データより作表 数値は二人以上世帯の月別の園芸品の支出(円)について)

若年層の購入が増えたところから思うのは、より若者トレンドを反映した商品があってもいいのではないかということだ。

弊社では、普段切り花をベースにトレンド分析をしているが、園芸品でも同じトレンドの流れがあるとみている。
一言で書くと、大ぶりでより装飾的な商品から自然な雰囲気のあるものや小型のものへと移っているのがトレンドだ。この流れからすると、例えば、「ヒヤシンス 原種」とネットで検索すると、花と花との間が詰まっていない品種画像がヒットする。切り花でもすらっとした野草風の商品が流行している。

また、切り花では球根付きの原種系と呼ばれるチューリップもこのところ流通している。世界でみても切花においては野草風の商品が流行っているので早晩、園芸植物でも原種の雰囲気があるような品種が流行ることだろう。

ただし、トレンドの変化を最初に受け入れるのは2000年前後に生まれたZ世代と呼ばれる層で、日本では人口が多くはなく、上記の表のとおり購買力が他の世代よりも小さいので、最初の変化は限定的である。しかしソーシャルメディアでの発信力はとてつもなく高いため、より購買力のある世代への影響力がある。流行が見えてからの拡大は早いものと思う。スイセンやラナンキュラスにおいても、上記キーワードがある品種は試しに少しずつでも栽培し、商品化することを勧める。

最後に、最近流行りのサブスクリプションサービス(略してサブスク)を展開している花屋さんの新規顧客層は20代から35歳ぐらいの女性だそうだ。サブスク商品は主に切り花で、鉢物の事例は少ない。
この新規マーケットにも季節の球根鉢物を定期的に提案できるようになると面白いのではないだろうか。そのためには、4寸ではちょっと重い。女性が片手で軽く持てるサイズを目指すとよいのではないかと思う。

著者プロフィール

桐生進(きりゅう・すすむ)

株式会社大田花き商品開発部を経て2009年から花の生活研究所所長。
花きのトレンド、物流効率化など幅広い分野を研究。
毎年、花き業界のマーケティング資料であるフラワービジネスノートを制作し発売している。

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