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クリマクテリック

公開日:2021.4.8 更新日: 2021.3.25

果実が成熟するときに呼吸量が一時的に増加するものがあるが、この呼吸量の増加を「クリマクテリック」という。
クリマクテリックの呼吸上昇はエチレンによって引き起こされるもので、果実の成熟につれ果実内に次第に増加するエチレンが、ある一定量に達すると呼吸上昇を引き起こし、引き続いてエチレンを大量に生成し、この大量のエチレンによって果実が成熟することになる。

果実の成熟にあたって、クリマクテリックの認められるものと認められないものとがある。
前者を「クリマクテリック型の果実」といい、この中にはリンゴトマトおよび追熟を必要とするアボカド・洋ナシ・メロン・バナナなどがある。
後者を「非クリマクテリック型の果実」といい、これにはレモン・ミカンなどのカンキツ類がある。

果実の成熟前にエチレンガスを処理すると、前者の果実ではガス濃度が高くなるにつれて呼吸上昇の起こる時期が早まり、後者の果実ではクリマクテリックに似た呼吸=上昇が起こり、ガス濃度が高くなるにつれて呼吸量が増す。
前者の果実では呼吸上昇の発現を抑えるか遅らせると成熟が遅れ、逆に呼吸上昇を早めれば成熟が促進されることになる。

呼吸上昇を抑えるには低温・炭酸ガス・減圧が有効であり、実際には冷蔵・炭酸ガス濃度を高めたCA貯蔵によって成熟が抑えられている。成熟促進にはエチレンガスの処理がなされている。

 

『農耕と園藝』1978年10月号より転載

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