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なるほど園芸用語

光中断

公開日:2021.4.15 更新日: 2021.5.11

植物の光周反応において、夜間の適当な時期に短時間光を当てて暗期を中断することを光中断という。この光中断によって植物は日が短くても長日下におかれた場合と同じ反応を示し、短日植物では花芽を分化せず、長日植物では花芽を分化する。

このことから日の長さより夜の長さが重要であって、短日植物は連続した長い夜が、長日植物は短い夜が花芽分化に必要であることが明らかになった。

一般に光中断による長日効果は、夜が始まって8時間目付近が最も有効である。

この光中断の効果を園芸作物でよく利用しているのは、短日植物のキクやイチゴの場合であり、前者は開花抑制に、後者は生長促進に利用している。
すなわちキクでは8月下旬以降の日長が短くなる時期から電灯照明し、花芽をつけさせないでおき、必要に応じて電照を打ち切り花芽を分化させ、開花期をコントロールする電照抑制栽培が行われている。この場合、当初は夕方から電灯照明をして日長を長くしていたが、光中断の利用により深夜に照明される。

照度は、敏感な品種で5~10lx、鈍感な品種で50lxが必要とされ、10㎡あたり100W白熱灯1灯の使用が一般的である。

イチゴの場合は20lx以上の照度で行われる。いずれも2~3時間の深夜照明を行っている。

 

『農耕と園藝』1979年3月号より転載

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