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なるほど園芸用語

普通葉と低出葉、高出葉

公開日:2021.6.18

緑色をして光合成を行う葉を「普通葉」というのに対して、シュートの基部に作られる鱗片葉状の葉や冬芽の鱗片葉(芽鱗)を「低出葉」といい、花や花序に関係してシュート上部に作られる苞葉などを「高出葉」という。
これらはシュート上の葉の位置で定義される普通葉とは違う異形葉の呼び名である。

普通葉は扁平で薄いのに対して、低出葉と高出葉はいずれも葉身が少なく、葉脈主体の葉になっていることが多い。普通葉を農園芸作物栽培においては本葉と呼び慣わしている。

腋芽に最初に作られる葉は低出葉であり、前葉とも呼ばれ、鱗片葉になるものが多い。子葉より上に作られるシュート基部にも鱗片葉状の低出葉が作られることがある。
芽鱗は休眠芽の保護の役目を果たしているが、休眠芽が伸長するとシュートの基部に作られていることがわかる。

茎の周りに規則的に配列する葉に相当する器官葉的器官という。胚が発芽して花をつけ、種子を作るまでの1つの個体でみられる葉的器官は、子葉、普通葉、低出葉、高出葉、花葉である。

子葉は種子中の胚にある葉的器官で、芽生えで最初に出てくる葉である。その後に普通葉が作られ、普通葉を分化したシュート基部に腋芽が形成され、その側生シュートの最初に作られる葉的器官が低出葉である。花芽が分化する過程で作られる葉的器官が高出葉で、花を構成する各器官が花葉である。

 

『農耕と園藝』2001年9月号より転載

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