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病害虫の予察情報

公開日:2021.7.22

農作物を害する病害虫の発生状況を気象および作物の生育状況等と関連させて調査し、その後の病害虫発生を予測して損害を解析することを病害虫発生予察という。また農作物の損害を未然に防止する目的で、発生予察を情報として関係者に提供する事業を病害虫発生予察事業という。この事業は各都道府県に設置されている病害虫防除所で実施され、発生予察員は発生予察実施要綱にしたがって、地域の巡回調査や予察圃場での病害虫発生調査などから予察を行う。

「病害虫の予察情報」は発生予報、注意報、警報として発令される。予報では病害虫の発生予想を発表、病害虫の発生時期、程度、予報の根拠、防除上の注意事項などを記載する。注意報では警報ほどではないが、重要な有害動植物の多発が予想され、かつ早めに防除措置を講じる必要が認められた場合に発表する。警報では重要な病害虫が大発生すると予想され、かつ早急に防除措置を講じる必要が認められる場合に発表する。

また、特殊報では、新規の病害虫を発見した場合や、重要な病害虫の生態および発生消長に特異な現象が認められた場合に発表する。

予察情報は防除を徹底するために利用されてきたが、殺虫剤抵抗性の誘導を回避するために、また経済的防除を行うことで無駄な防除を減らすためにも使われている。このためには科学的方法で病害虫の発生量を予察し、経済的被害許容水準等の要防除密度が確立される必要がある。

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