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切り返し

公開日:2021.8.5 更新日: 2021.7.20

発酵が始まっている堆肥を発酵途中に積み替えることを堆肥の「切り返し」という。切り返しにより堆積物の表層部に位置した堆肥原料が堆積の中心部に入ると同時に、堆肥内に空気が入り空隙に富んだ膨軟な堆積状態を再び作り出し、分解が活発化して発酵が均一に行われるようになる。堆肥化の過程では堆肥原料に応じて、数回の切り返しが行われる。

堆肥化の過程では、堆肥原料の有機物の分解による発熱が堆積物の品温を上昇させ、高い品温が分解を担う微生物の活動条件を整えることになり、その結果いっそう活発な分解が進むという因果の循環が起こる。有機物を栄養源とする細菌や放線菌の急速な増殖と活発な代謝にともない、多量の熱エネルギーが放出される。

堆積した堆肥原料は発酵が始まると自重による圧密が始まり、圧密は空隙を減少させるので積み替えにより膨軟になり、通気性が高まる。適切に前調整された堆肥原料は堆積するとすぐに堆肥の品温が上昇して70℃以上の高温に達し、ピークを過ぎる。これを切り返しすると、再び品温が上昇してピークに達し、その後の経過とともに品温が次第に下がっていく。切り返しを行っても品温が65℃を超えなくなると、切り返しの作業は行われなくなる。ここまでを一次発酵と称し、その後ゆるやかに分解を続ける有機物があるので堆積状態で管理され、これを二次発酵という。

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