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狂い咲き

公開日:2021.8.12

「狂い咲き」には、花型の1つを指す場合と開花時期の異常をいう場合とがある。花型の狂い咲きは、花の形が不整形であって、開花にともなって花色や形がさまざまに変わる「狂い」と呼ぶ変化をする花型を指す。

開花時期がほぼ一定している樹木において、開花が終わった後の時期外れに再び開花する二度咲きが起こるとき、これを狂い咲き、あるいは返り咲きといい、自然の開花期ではない時期に咲くので不時開花ともいう。

前者の代表例に、狂い菊および芸菊と呼ぶキクがある。一度平らに咲いたのち内側の花弁が立ち上がって椀状の抱え咲きになり、その花弁がねじれる、折れ曲がるなどさまざまに変化する。抱え方から折抱(花弁が中ほどから斜めや横に折れる)、追い抱え(左右どちらかに斜めに曲がり積み重なる)、丸抱え(内側に丸く)に分けられる。他種の狂い咲きの例に、サクラソウ・ムクゲ・アスターなどの抱え咲きの不整形花や、チューリップのパーロット種(オウム咲き)がある。

返り咲き現象は、花芽が夏に分化して花器の発達の早いサクラ・モモ・リンゴ・ナシ・ツツジなどで起きやすい。花芽が分化した後、風害や虫害で異常落葉すると休眠誘導物質のアブシジン酸の供給がなくなり、しかもその後に高気温が続くと、芽が休眠状態に入らないままに生長を開始して開花すると考えられる。

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