HOME 読みもの なるほど園芸用語 土壌の三相 なるほど園芸用語 土壌の三相 公開日:2021.9.9 更新日: 2021.7.20 土壌は鉱物粒子と腐植からなる固体と、水と空気から成り立っており、それぞれを固相・液相・気相といい、これを「土壌の三相」という。土壌の全容積を100として各相の占める容積割合を%(パーセント)で示したものをそれぞれ固相率・液相率・気相率といい、この三相の組み合わせを土壌の三相構造という。 固相率は土壌の種類でほぼその範囲は決まっているが、液相率と気相率は降雨・潅水・乾燥・耕起などによって変化する。三相構造はまた耕土の深さによって変化している。 水と空気は固相の粒子間の隙間(孔隙)に存在するので、粒子の大小や配列の仕方によって変化する。一般に大きい粒子同士の配列では孔隙は大きいが、全体としての孔隙量は少ない。土壌粒子が1つずつバラバラに配列している単位構造より、小さなグループを作ってまとまっている団粒構造の方が孔隙も大きく、孔隙量も多い。この孔隙のうち、地下水を吸い上げることのできる細い毛細管孔隙が液相となり、これより大きい孔隙が主として気相となる。したがって、気相と液相を合わせたものが全孔隙量である。 気相と液相の割合は土壌水分、土壌通気性と直接関係し、作物の生育に影響する。全孔隙の2分の1以上が気相だと水分保持が悪く乾燥害を受け、気相が少なくなるとガス交換不良で酸素不足となり湿害を起こしやすい。根の伸長不良が起きる気相率は水稲で10%以下、キュウリで20%以下、キャベツで24%以下であることが示されている。 この記事をシェア 関連記事 2022.6.14 地中温湯加温 地中に埋めたパイプに温湯を環流して地温を高めることを「地中温湯加温」といい、パイ […] キュウリ栽培塩化ビニル加温育成 2022.5.7 果樹の休眠現象 一般の落葉果樹や花木では、冬期間にある程度の低温を受けないと、春になって萌芽・開 […] 果樹栽培 2022.3.31 八重咲き 普通一重であるもとの花に比べて、花弁数が増加した花を「八重咲き」または重弁花とい […] 花