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緑肥

公開日:2021.9.25

植物体を生のまま土の中にすき込み肥料とするものを「緑肥」という。
緑肥の種類は大別して野生緑肥栽培緑肥とに分けられる。
野生緑肥とは野外に自生している山野草・藻類・木の若芽などをすき込むものであり、栽培緑肥とは緑肥用として作物を栽培してすき込むもので、この中にはマメ科作物非マメ科作物とがある。

マメ科の緑肥作物としてはレンゲ・青刈りダイズ・ルーピン・クローバー・ベッチ類など、
非マメ科としてはナタネ・ソバ・青刈り燕麦・青刈りトウモロコシ・青刈りライ麦などがある。

緑肥の効果は肥料となるほかに土壌に有機物を補給し、土壌の団粒化を促し物理性を改善することにある。
土壌中にすき込まれた植物体は微生物により分解され、チッ素・リン酸・カリ・微量要素などが再び作物に吸収利用される。
この場合、チッ素は微生物の働きにより有機態チッ素から作物に吸収できる形のアンモニア態あるいは硝酸態チッ素に変えられる。生の緑肥作物中のチッ素成分はほぼ0.5%前後の含有量である。

緑肥をすき込む適期は開花始めとされ、すき込む際は生草100kgに消石灰5kgを施し有機物の分解を促進させる。
施用量は畑地で3.5t、水田で1.5t前後とされる。
水田では急速な分解によって土壌の還元化が進み、有機酸などの有害物質が生成されることがあるが、その際は排水して酸素を補給してやる。

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