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葉分析

公開日:2021.11.18

果樹の葉の無機成分を分析し、果樹の栄養状態を評価することを「葉分析」という。これは栄養診断の一方法であって、分析結果と他のいろいろな要因を考慮し解析して、高生産に必要な施肥量を決める資料とするのである。

このためには、木の多量要素(N・P・K・Ca・Mg・S)と、微量要素(Fe・Mn・B・Cu・Zn・Moなど)の濃度が、木の栄養状態、さらには生長・結実に密接な関係があるという考え方が基本になっている。葉を分析するのは、施肥量や土壌中の養分含量と植物体内の養分含量との関係をよく反映するためである。

葉中の成分含量はいろいろな条件によって変化するので、分析にあたっては葉の採取方法および採取時期に注意が必要である。春に展開した若葉にはN・P・Kの含量が多いが、それもやがて夏に成葉となると含量が少なくなる。また秋の低温にあうと再びその含量は低下する。Kは一般に果実があると含量が低い。Caは古葉に多い。一般に不着果枝の真ん中辺りの葉を取って分析する。栄養診断を行う時期は、葉中の養分含量の変化が少なく、結実や樹勢などの影響が葉によく現れる時期を選ぶ。その時期は温州ミカンと富有ガキでは8~9月、モモが6月、ブドウのデラウェアが7月とされる。

各種養分の好適条件は樹種や品種により異なるが、温州ミカンを例にとると、Nは3.0%、Pは0.15~0.18%、Kは1.0~2.0%とされている。この範囲より高濃度であっても生産は上がらず、あまりに高濃度になると害を生じる。

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