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クロローシス(白化)

公開日:2021.12.2

クロロフィル(葉緑素)の生成に必要な元素が欠乏すると、植物体にクロロフィルが欠けるので黄白色の色調になる。このことを「クロローシス」といい、黄白化ともいう。

クロロフィルの構成金属元素であるマグネシウム(Mg)が欠乏したときや、クロロフィルの生成に間接的に必要なマンガン(Mn)・鉄(Fe)などが欠乏したときクロローシスが起こる。その他、チッソ(N)が不足したときにも起こる。

Mg欠は老熟した葉中のクロロフィルが破壊され、その中のMgが若い葉へ運ばれるため、老熟葉でクロローシスが始まる。

Mn欠はミカン園に発生が多く、萎黄病といわれている。Mnは植物体内を移動しにくいので、欠乏すると新しい葉がクロローシスを起こす。Fe欠とよく似ているが、クロローシスを示した葉はFe欠より長く葉脈部分に緑色を残す。

Fe欠は培地がアルカリ性のときFeが不溶性となるため起こる。土壌では石灰過用で起こる。若い葉が白化する。

N欠では下部葉が黄化するが、これは老葉中の葉緑体のタンパク質が分解され、葉緑体が破壊されるためである。

最近、和歌山県の一部のナシ園と徳島県の一部のミカン園で強いクロローシスが生じており、これが蛇紋岩土壌で特有なものであることが判明した。その原因はニッケル(Ni)の過剰吸収による害であって、モリブデン(Mo)不足が起こるためと推察されている。

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