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ス入り

公開日:2021.12.16

ダイコン・カブ・ニンジン・ゴボウなどの根菜類やセロリなどの葉菜類の肥大根・葉柄あるいは茎の組織が空いて、切ると白く見えるようになり、さらに進むと空洞になることがある。この現象を「ス入り」という。

また、ス入りになることを「スがはいる」という。ス入り部分は煮ても軟らかくならず食味が劣るので、商品価値を著しく落とす。

ス入り現象はダイコンでよく調べられている。それによると、過熟状態になったときや、根の肥大生長が急激に起こるとき、スがはいりやすい。すなわち収穫期が遅れたり、生長後半に栄養分不足になったりしたとき、または抽苔したときに起こりやすい。

根の急激な肥大生長による場合の例としては、遅播きより早播き、品種でもラディッシュやみの早生などの発育の早い品種で、見かけの生長を早めるような土性、多肥条件で起こりやすいことが挙げられる。

ス入りの発生を詳しくみると、根の通導組織(養水分の通路の役目をもつ組織)から離れている柔細胞が巨大となり、細胞膜が離れ、内容物がなくなり、空気が入り込んで白く見えるようになる。さらには肉眼で認められるほどの空洞になる。これはひとつの老化現象と考えられる。通導組織から離れている細胞は、特に養分不足に陥りやすいといわれる。また比重が高く充実した根はス入りが少ない。

ス入り防止策としては根の比重の高い品種を選ぶこと、カルシウムの施肥、生育後半に尿素の葉面散布で葉の活力を高めることなどが挙げられる。

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