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接ぎ木不親和

公開日:2022.1.6 更新日: 2021.11.26

接ぎ木において穂木と台木が全然活着しない場合、また活着しても地上部が養分欠乏症状を起こしたり矮化したりして発育が異常な場合、さらには後になって枯死する場合などがある。この場合、穂木と台木との間に不親和性があるという。したがって、不親和性とは活着の難易そのものをいうのではない。例えば日本ナシにリンゴを接いだ場合、結果年齢に入った頃から発育が著しく阻害され、7~8年で枯死する。また蔬菜でも土壌病害に対し適当な対策がないときに、その病害に強い植物を台木として使いたい場合がある。例えばメロンのつる割病にはカボチャ台を使えば防止できるが、この組み合わせでは不親和性のため枯死して使えない。

不親和性の原因としては、たとえ台木と穂木が接ぎ木接着部で癒合しても不完全なため、養分の通路である導管や篩管が正常に働いていないこと、台木の発育に必要な物質が穂木で作られないか、あっても働くことのできない形で存在するため根が発育不良になること、穂木か台木で不親和を起こす物質が作られることなどが挙げられる。しかし、まだ決め手となる原因はわかっていない。不親和性の解決策としては、穂木と台木の両方に親和性のある中間台木を用いることが行われている。また前述のメロンの場合、台木の葉を残せば正常に発育することが報告されている。

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