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隔年結果

公開日:2022.1.13 更新日: 2021.11.26

果樹では、ある年に果実が多いとその翌年は少ないという現象を1年おきに繰り返す。この現象を「隔年結果」といい、結果の多い年を成り年、少ない年を不成り年、やすみ年という。隔年結果の程度は果樹の種類・品種によって異なり、カキ・カンキツでは隔年結果しやすく、またリンゴでは「印度」が隔年結果しやすく、「旭」「国光」「紅玉」はその程度が小さい。一般に粗放栽培すると出やすく、モモ・和ナシ・ブドウなどのように集約的栽培をするものでは、この現象は普通には問題とならない。 隔年結果の起こる主な原因は、樹体内の栄養状態のバランスが破れるためである。着花・結実過多は樹体内の無機養分・炭水化物を減少させ、花芽形成にマイナスに働き、翌年の花の数や結果数を少なくする。逆に着花・結実が少ないと養分の消費が少なくなり、次の年には着花・結実が多くなる。このようにして収量の多い年、少ない年が繰り返される。そして、霜害などの気象災害、病虫害による落葉、花芽分化前の気象条件などが、この樹体内の栄養状態のバランスを崩すきっかけを作るのである。

したがって、隔年結果を防止し、毎年決まった収量をあげるには、その年の着花・結実量を調節し、樹体内の栄養バランスを保つことが大切となる。実際には成り年の摘蕾・摘花・摘果が特に効果がある。また、成り年の前の冬季剪定は強く行って花芽数を減らし、やすみ年前の冬季剪定は花芽数が少ないので弱く行うなどの方法がとられている。

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