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後熟(追熟)

公開日:2022.1.27 更新日: 2021.11.26

果実の種類によっては、収穫当時はまだ肉質が硬く、デンプン質が多くてまずく生食に適さない。このような果実は収穫後少し日数をおくと、呼吸の増加などによる化学変化が起こり、次第に果肉が軟化し、芳香を放ち生食に適するようになる。このように収穫後日数をかけて果実が生食に適する状態になることを「後熟」あるいは「追熟」という。この後熟は洋ナシやバナナで行われている。洋ナシを後熟するには、温度20℃以下に置くか、1~2週間程度の冷蔵を行った後に室温に置くとよい。市場では産地から送られた果実を3~7℃で1~2週間冷蔵しており、小売店で後熟が進むようになっている。バナナは輸入されたときは緑色で、果皮も硬く食べられない。後熟は「ムロ」といわれる加工場で温度17~20℃で24~48時間おき、表皮が黄色くなるまで成熟させ、その後3日間ぐらい冷却して成熟の進行を抑えるやり方がとられている。後熟を必要とするものには、果実のほかに種子がある。種子の場合には胚熟とも呼ばれる。このような種子は収穫当時にはまだ胚の発育が不十分で発芽力がないもの、あるいは収穫後に胚の発育が行われて発芽力をもってくるものが含まれる。また胚の発育は完全だが、休眠に入って発芽しないものもある。リンゴ・ナシ・モモ・バラなどがその例で、冬の低温を経て発芽するが、このような種子では成熟後休眠が破れ、発芽できるようになる変化を後熟といっている。

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