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プラスチックマルチ

公開日:2022.3.3 更新日: 2021.12.21

マルチングとは、わら・もみがら・紙・フィルムなどを地面に広げ、作物の根を乾燥・高温・低温などから保護する操作をいう。またマルチングは雨で耕土が固まるのを防ぎ、土壌水分を適度に保ち、地温を変化させ、風雨による土壌の流亡を防ぐ。このマルチ材料にポリエチレンやビニルなどのプラスチックフィルムを使った場合を、特に「プラスチックマルチ」という。

このマルチの特徴は、地温を高め、土面蒸発を抑えて土壌水分を高く保つ点にある。また雨による土壌中の養分の溶脱が少なく、土壌微生物の働きも活発となり、チッ素肥料の効果が高まり土壌中に硝酸態チッ素が蓄積する。

これらの結果、作物の収量は上がり、収穫も早まる。例えばイチゴでは12月から2月中旬までにマルチすれば開花・熟期が10日くらい早まり、果実などの病害も少なく、良果がとれて収量が上がる。またトウモロコシでも発芽を早め、収穫が10日ないし15日早まる場合が知られている。そのほか、ハウス・トンネル促成・半促成栽培のトマト・キュウリ・ピーマン・ナスなどの果菜類や、露地でのレタス・イチゴ・メロンなどにも多く使われている。

地温を高める効果はフィルムの種類で異なり、透明フィルムが最も効果があるが、マルチ下に雑草が多くなる。このため黒色フィルムが使われることがあるが、地温上昇の効果は小さい。この2つの中間の性質を示すのが緑・赤・青・黄色などの着色フィルムである。

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