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上子葉休眠(子葉上茎休眠)

公開日:2022.3.24

「上子葉休眠」とは種子休眠の1つのタイプであり、種子の発芽そのものは比較的容易であるが、その後、子葉上茎の部分すなわち上胚軸が伸長せず、休眠状態にあり地上に緑葉を出さない現象をいう。

この子葉上茎の休眠が破れるためには低温が必要である。自然状態では秋に種子が稔実しても、冬の寒さのために発芽は翌春になり、その年は根が生長するだけである。子葉上茎部は伸長せず休眠状態にあって、冬の寒さにあって初めて休眠が破れ、次の年の春に地上に緑葉を現すことになる。つまり、種子ができたときから数えると2年目の春にやっと緑葉が現れることになり、普通の種子より1年よけいに生育の時間がかかる。

このように生長に長日月を要するのでは、品種改良や繁殖のうえで問題であるから、人為的に低温を与えて休眠を打破することが行われる。例えばヤマユリでは発芽した種子を5~10℃に6週間から3カ月間おき、休眠を打破する。

ボタンでは低温の代わりにジベレリンによって打破できる。この場合は1個体あたり0・1・のジベレリンを胚軸の部分に処理すると、3週間程度で地上に緑葉が出る。低温処理では8~12週間必要であるので、ジベレリンの効果は高い。しかし、処理方法が実用的でないという難点がある。

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