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東京電機大学 スマート農業シンポジウム開催!

公開日:2022.3.3

さる2022年2月18日、                                                                                東京電機大学・釜道紀浩教授が代表者を務めるコンソーシアム主催
スマート農業シンポジウム
~加工・業務用野菜の機械化一貫体系とサプライチェーンの最適化~
が開催されました。

本記事では、東京電機大学・釜道紀浩教授が代表を務める実証プロジェクトの報告を中心に紹介します。

ロボットやAI(人工知能)、ICT(情報通信技術)などの先端技術を活用したスマート農業では、様々な農作業を担う技術が続々と開発されています。農林水産省では令和元年からスマート農業実証プロジェクトを進めています。

その実証拠点の1つが釜道教授の実証プロジェクトで、その目的は、加工・業務用野菜サプライチェーン最適モデルの構築です。

具体的には、キャベツ、玉ネギの機械化栽培技術体系と、産地リレーと連動したスマート農機の県間広域シェアリングによる低コスト技術体系の実証研究が行われています。

この実証プロジェクトの背景には、加工業務用野菜の需要拡大があります。

ライフスタイルの変化や、外食・中食が増えたことにより、サラダの購入金額は年々増加しています。ところが、家庭で消費される野菜は国産品がほぼ100%なのに対して、加工・業務用に使われる国産野菜は70%程度であることから、加工・業務用野菜における国産野菜の利用を増やすことが課題となっており、安い輸入野菜とのコスト競争力の強化が求められています。

画像:スマート農業シンポジウム 東京電機大学釜道教授資料より転載

そこで、釜道教授が代表を務めるコンソーシアムでは、

(1) 機械化、自動化オペレーションの作業効率化の技術                                                        (2) IoTを活用した栽培効率化の技術                                                            (3) サプライチェーン全体の効率化の技術                                                          (4) スマート農機のシェアリングにより機械化コストを低減させる管理技術

以上について、実証を進めています。

このように、個々の生産者における栽培の効率化に加えて、サプライチェーン全体での情報連携やスマート農機のシェアリングによる作業効率化やコスト削減といった、スケールの大きな成果が紹介されました。
シンポジウムでは、農研機構による取り組み、愛媛県と広島県で進められているスマート農業の実証プロジェクトも紹介され、スマート農業への期待がさらに高まるシンポジウムとなりました。

取材・文/保谷彰彦

 

*農耕と園芸2022年夏号(5月23日発売)にて、さらに詳しくご紹介します。

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