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地中温湯加温

公開日:2022.6.14

地中に埋めたパイプに温湯を環流して地温を高めることを「地中温湯加温」といい、パイプには加工の容易さ、安価などの点から、塩化ビニルなどのプラスチック製品が利用されている。

地温上昇の効果はパイプ径、循環温水量の増加によって高まると考えられるが、調べられたところでは、パイプ内の温湯40~55℃、内径16・、外径21・の硬質塩ビのパイプでは、パイプを中心とする10・の範囲で20℃以上になることが明らかである。

これまで野菜の初期生育時の地温加温に用いられた方法は、温床線による伝熱利用、醸熱と電熱の併用があるが、温湯加温による本方式は比較的長期間の生育に必要な適地温の確保、特殊作物栽培において高地温が必要なとき、そして大規模な加温を行う際に有効と考えられている。

そこで野菜の生育が良好になる地温を調べてみると、キュウリでは初期生育で25℃以上、最低は15℃ぐらいとみられる。トマトでは初期が25℃付近、結実期には15℃以上30℃以内であり、いずれも13℃付近になると生育が急に不良となる。そして気温が高いといくぶん低い地温で、気温が低いといくぶん高い地温で生育が良好となる。

また地温の変温に関しては、昼夜に関係なく低温にあわせると、生育は著しく抑えられる。実際に温湯加温により、パイプ付近の地温を20℃に保ってキュウリを栽培した例では、無加温に比べ10~20%の増収が報告されている。

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