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練り床

公開日:2022.7.21

土と完熟堆肥を混ぜたものに水を加えて練り上げた床土に、種子を播いて育苗する方法を「練り床」、あるいは練り床育苗という。この方法は昭和の初期から結球ハクサイの育苗法として普及してきた。ハクサイの種播き適期は8月上旬~下旬であるため、幼苗が高温乾燥の害を受けやすく、また続く台風の被害、さらに各種の病虫害を受けやすいうえに植え傷みがひどいので、普通の方法では移植栽培が困難である。そこで断根を少なくし、幼苗時の管理が行き届くこの練り床育苗が各地に普及した。
作り方は、まず完熟堆肥と畑土あるいは田土を等量に混ぜる。この際、軽い土なら粘土を加え、粘質土なら砂を3~4割混ぜて使用する。
肥料は1・あたり硫安100g、過リン酸石灰50~100g、硫酸カリ20gを施し、充分に水を加えて足を踏み入れて練り上げ、厚さ10・内外にし表面を平らにする。
1日陰干しして包丁で適当な大きさのブロックに切り、これに種子を播く。苗が生長し、ブロックから根が出る頃が定植時期となる。管理は練り床の上にヨシズ・寒冷紗などの日除けを行い、潅水を心掛ける。
以上の操作を簡単にし、床をよく踏み固めた上に床土を置き、これに水を入れ手で叩いてならしたのち、ブロックに切るやり方の叩き床があり、これはキャベツやハナヤサイの育苗によく用いられる。この練り床は水分が充分にあり、その水分が蒸発するときの気化潜熱で地熱が奪われ比較的低温となるので、高温時の冷床育苗として利用価値が高い。

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