HOME 読みもの アグリニュース スプレーで噴霧するだけ~狙った遺伝子の働きを 抑制する技術を開発~ アグリニュース スプレーで噴霧するだけ~狙った遺伝子の働きを 抑制する技術を開発~ 遺伝子組換え作物細胞透過ペプチドCPP 公開日:2022.7.21 遺伝情報を書き換えられた遺伝子組換え作物は、消費者に敬遠されるだけでなく、法的な規制もあって日本ではほとんど生産されていませんが、自由に遺伝子を改変できれば、有用な特長を持つ農作物を作り出すことが期待されます。 しかし、これまでの技術では遺伝子の機能を制御することは簡単なことではありませんでした。そこで理化学研究所、京都大学、宇都宮大学などの研究グループは、スプレーで噴霧するだけで植物を改変できる技術の開発に取り組みました。 イラスト/坂木浩子 研究グループは細胞膜をすり抜けて細胞の中に入り込む「細胞透過ペプチド(CPP)」に注目。このCPPに狙った遺伝子の働きを抑えることができる合成RNAを取り付け、スプレーで噴霧できるようにしました。実験用に蛍光タンパク質を作り出すように遺伝子を改変されたトマトやシロイヌナズナの噴霧したところ、タンパク質の合成が抑制され、蛍光発色が消失することが確認されました。 どの遺伝子を働かせないようにするかは今後の研究次第ですが、将来的にはスプレーで噴霧するだけという簡単な方法で植物を改変して、農業生産性を高めることができるようになるかもしれません。 文:斉藤勝司 この記事をシェア 関連記事 2024.4.6 第6回 獣がいフォーラム 「市民の力で変わる 獣がい対策への新しいアプローチ」レポート(後編) 去る3月2日、表題のフォーラムが開催された。前編で紹介した基調講演に続いて行われ […] 獣がいフォーラム獣害 2024.4.5 第6回 獣がいフォーラム 「市民の力で変わる 獣がい対策への新しいアプローチ」レポート(前編) 生産者が丹精を込めて栽培しても、収穫前に野生動物に農作物を食べられては、すべての […] ヒグマ対策獣がいフォーラム獣害 2024.4.4 第39回花卉懇談会フォーラム~新しい園芸植物の伝え方・使い方・作り方~ 2024年2月23日、表題のフォーラムが東京農業大学世田谷キャンパスにおいて開催 […]