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サイトカイニン

公開日:2022.9.20

カイネチンはスクーグらによってタバコのカルス培養を行っている際に発見された細胞分裂に必要な物質で、ココナッツミルクやイースト抽出物中に存在することが知られている。その後、1955年にミラーらによりDNA(デオキシリボ核酸)の古い標品および熱加水分解産物中から結晶として取り出され、その化学構造も6フルフリルアミノプリンと決定されている。

現在、このカイネチンと同様な生理作用を示す物質として、ベンジルアデニン、チジアズロンなどの化合物があり、これらの総称として「サイトカイニン」の名が使われている。

その生理作用には細胞分裂の促進、細胞肥大、芽の形成・伸長促進、葉および塊茎の生長促進、老化の進行遅延、レタス種子の休眠打破など、いろいろな働きがある。実用化を目指した試験も行われており、野菜・果実の鮮度保持、霜害の防止、植物体の老化防止などの利用が考えられている。

これまでのところ植物体では果実および種子(トマト・ココナッツミルク・アンズ・トウモロコシ・エンドウ・ルピナス)と、根の頂端部および溢泌液(ヒマワリ・ブドウ・タバコ)中にサイトカイニン様物質が存在することが認められている。トウモロコシ・アンズの果実から取り出された天然のサイトカイニンは、ゼアチンと命名されている。そのほかにイソペンテニルアデニンなどがある。

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