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ドロッパー(垂下球)

公開日:2022.10.20

チューリップの球根は毎年種球が消耗し、この後に新球が作られていく。ところが、この新球がもとの種球の位置につかずに、さらに深く長く伸びた柄の先につく場合があり、これを「ドロッパー」あるいは垂下球という。ちょうちん球・とっくり球・さがり球などの名で呼ばれることもある。

ドロッパーには、1つの種球に新球が1つできるもの、2つできるもの、さらにたくさんできるもの、水平方向にできるものなどがある。一般にドロッパーがたくさんできるのは小球のときで、開花するような大球になるとほとんどできなくなる。

ドロッパーの形成には光の影響が決定的であり、球根に光が当たるとドロッパーができる。その光はごく弱い場合にも有効であり、この効果は貯蔵中の球根にも現れる。光のほか栽培条件によっても発現が異なり、栽培されている当代の栽培条件だけでなく、種球が生産された前代の栽培条件も影響し、浅植えや砂土ではドロッパーが多くなる。

ドロッパーの発現は品種によっても差があり、「カンサス」「エリホード」「ウィリアムピット」などはドロッパーを形成しやすく、特に「カンサス」は開花球でもドロッパーを形成したりする。「ピーチブロッサム」「レモンクイーン」「アルベリオ」「カプリ」などはドロッパーを形成しにくい品種とされている。

ドロッパーは生育は良いが、外観が悪く掘り取りが困難であるなどの欠点がある。ドロッパーを少なくするには種球を暗所に貯蔵するのが有効とされている。

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