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硬実(こうじつ)

公開日:2022.9.9

発芽不良の種子の中には、種皮が水を通さないためにふくらむことができず、発芽できないでいるものがある。このような種子および現象を「硬実」という。

硬実は大粒種子のエンドウマメ・インゲンマメ・ベッチ類を除いたマメ科植物で多くみられるほか、アオイ科(タチアオイ)、カンナ科(カンナ)、ヒルガオ科(アサガオ)、タデ科、アカバナ科(マツヨイグサ類)、フウロソウ科(ゼラニウム)などでもみられる。

不発芽の原因は種皮の柵状細胞の不透水性にあるが、そのメカニズムには諸説があり確定していない。硬実は種子を乾燥させた場合、また成熟するにつれて進む。したがって、未熟種子では硬実の程度が小さいので、この種子を用いて発芽促進を図ることもある。

硬実種子は水分含量が少なく、外界の影響を受けにくいので生命力が強く、種族保存のうえからは植物にとって好都合である。しかし、栽培する側には発芽不良や不揃いになるので不都合である。そのため硬実が多い場合は、前もって硬実打破処理を行ってから播種する。

硬実打破の方法には、種子磨傷法(種皮を傷つける、種子を容器中で振とうさせる、砂などを混用するとより有効)、種皮溶解法(濃硫酸・苛性ソーダなどを用い、濃度・処理時間は種類によって異なる)、温湯処理(40℃以上の湯の中に種子を入れて自然に冷却させる)、凍結(マイナス20℃以下)、高圧・乾熱処理法(70~80℃で2~3時間処理)などがある。

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