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種苗審査会

第64回野菜・花き種苗改善審査会「夏まきダイコン」の部 開催

公開日:2022.12.26

令和4年10月21日(金)、東京都農林総合研究センター立川本場にて、第64回野菜・花き種苗改善審査会「夏まきダイコン」の部が開催された。夏まきダイコンの品評会について、栽培概要や審査結果をお伝えする。

栽培概要

出品点数:15点(うち、参考品種2点)。
供試圃場:東京都農林総合研究センター積土圃場(表層腐植質黒ボク土)。前作コカブ。
播 種:2022年8月23日、1穴3粒播き、白黒マルチ9227(千鳥)を使用。
被 覆:播種直後から9月27日まで寒冷しゃ被覆。
苗立数調整:9月5日に各穴1本に間引き。
区 制:1区約32株の2連制、ベッド幅70㎝、通路70㎝、2条(5, 291株/10a)
施 肥:窒素、リン酸、カリを10aあたり成分量でそれぞれ7㎏、10㎏、10kg施用(全量基肥)。
病害虫防除:東京都病害虫防除指針にしたがい下記の薬剤を施用
7月1日: ダゾメット粉粒剤 10kg/10a (~8月2日まで)
8月23日: フォース粒剤 4kg/10a
9月13日: Zボルドー水和剤 500倍、プレオフロアブル 1000倍
9月21日: カスミンボルドー水和剤 1000培、ベネビアOD 2000倍
9月29日: ヨネポン水和剤 500倍、マラソン乳剤 2000倍
10月11日: パダンSG水溶剤 1500倍

生育概要

(1)圃場での出芽は品種により8月26~28日となり、欠株はなかった。
(2)シャーレでの発芽率は、播種後4日でいずれも80%を超えた。
(3)栽培期間の平均気温、降雨量はいずれも平年並みで、生育は順調に進んだ。9月18日~ 9月24日に、まとまった降雨があり、その後、下位葉の黄化が発生したが、生育全体への影響は小さかった。
(4)予防的に薬剤散布を行い、顕著な病害虫被害はみられなかった。
(5)播種日から審査日までの日数は59日であり、全品種で収穫期に達している。

審査成績

Ⅰ等級 1位 SC8-182 (株)サカタのタネ

SC8-182 (株)サカタのタネ
SC8-182 (株)サカタのタネ

Ⅱ等級 2位 YR夏ゆたか カネコ種苗(株)

YR夏ゆたか カネコ種苗(株)
YR夏ゆたか カネコ種苗(株)

Ⅲ等級 3位 SC1-126 (株)サカタのタネ

SC1-126 (株)サカタのタネ
SC1-126 (株)サカタのタネ

審査講評

東京都農林総合研究センター江戸川分場 主任研究員 馬場 隆 氏

栽培期間中の天候は、全体としては平年並みでしたが、暑い日、涼しい日、また台風による豪雨もあり、不安定な期間でもありました。立毛審査では、生育は1区と2区の差も小さくよく揃い、葉もきれいでした。品種は葉が立性のものが多く、葉の大きさ、胚軸の形に特徴が見られました。収穫物審査では、不安定な天候のためか、根が膨らみこぶ状となったもの、ス入りや裂根が見られましたが、全体としては大きさが大体揃い、尻詰まりも良く、肌がきれいなものが多い様に感じました。

入賞した品種は、コブがなく、曲がりが少なく、形と大きさが揃っているものが選ばれました。今回の審査会はこの時期の栽培として、品種の特性が現れた良い審査会でした。

取材/御園英伸

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