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6000年前のリビア産スイカを解析  昔は果肉ではなく種子を食用にしていた!!

公開日:2023.1.10 更新日: 2022.12.28

エジプトでは、今から4360年前までにスイカの果肉がデザートとして食べられていたことが、古代の絵画に証拠として残されています。それ以前には、リビアの新石器時代のウアン・ムフギアグ遺跡から約6000年前のスイカ種子が出土しています。しかし、そのスイカが甘い果肉を持つスイカだったのかは不明でした。じつは、スイカの原産地はアフリカとされる一方で、甘い果肉の栽培スイカがいつ、どこで誕生したのかは未解明なのです。

イラスト/坂木浩子

このほど、シェフィールド大学(イギリス)などの研究チームは、約6000年前には、スイカの果肉ではなく、種子が食用にされていたことを明らかにしました。

この研究では、6000年前のリビア産スイカ種子、3300年前のスーダン産スイカ種子、これまでに世界各地から広く集めらた標本、現代の栽培種などから、合計で131系統のスイカ類について遺伝情報が調べられました。

その結果、この6000年前のスイカは、現在、西アフリカの一部の地域で栽培されている種子食用のスイカと遺伝的に近いことが明らかになりました。この種子用スイカでは、果肉が苦いのに対して、種子には脂肪が多く含まれていて栄養豊富です。さらに6000年前のスイカは果肉が白っぽくて苦いと推定されました。また、コンピュータ断層撮影(CT)により、6000年前のスイカ種子には、人がかじったような痕も見つかりました。

こうしたことから、6000年前のスイカは果肉ではなく、種子が食用にされていた可能性が高いと研究グループでは考えています。

文/保谷彰彦

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