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花飛ばし法

公開日:2023.2.20

花芽の段階で高温などの処理で花芽に害を与え、開花させないで球根の分球を促す方法を「花飛ばし法」という。この方法はチューリップの場合に利用できることが知られている。
チューリップの球根は、普通6月上旬に掘り上げられ10~11月の定植までの間は貯蔵される。花飛ばしはこの貯蔵期間の後半、9月中旬~10月下旬にかけて30~35℃の高温に数日間あわせることで可能となる。処理の長さは球根によって差があるので、処理中の球根から一部を抜き出して球根内の芽の状態を調べながら、花芽が軟化して薄くなるまで7~20日間行われる。一般に処理する時期が遅いほど高温処理の長さは短くてよい。
チューリップの花芽や新球の一部は、地上部が枯死している貯蔵期間中に分化し、球根内で生長を続ける。高温処理は最も活発に生長している花芽に養分の補給を断ち開花できなくさせると考えられている。
花芽は球根の中心部の主芽にあるので、ちょうど摘心と同じことになり球根内の頂芽優勢が破れる。普通は中心から離れた位置にある腋芽は退化消失することが多いが、頂芽優勢が破れたためにこれらの腋芽も生長して新球となる。それで球根の繁殖率が高くなると考えられる。球根数だけでなく球根重が増すことも知られている。
花飛ばし法は大量に処理した場合や球根の状態によって効果が一様でないなど、実際利用の面でまだ問題があるとされる。

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