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自動選果への応用に期待! メロンを覆う網目模様ができる科学法則を解明

公開日:2023.2.8

高級メロンの代表格とされるマスクメロンや、比較的安価に販売されているアンデスメロンには表面全体に網目模様が入っています。こうした網目模様は果実が肥大する過程で果皮に生じたひび割れの名残で、植物が作り出すスベリンという物質がひび割れを埋めることで生じます。網目模様はメロンの品質の評価にも利用されてきましたが、これまでメロンの網目模様を科学的に調べた研究報告はほとんどありませんでした。

イラスト/坂木浩子

そこで山梨大学の研究グループは、小売店で販売されているメロンを用いて網目模様の解析に取り組みました。まず北海道産のマスクメロン5玉を水平方向に3等分して、最も太い部分(赤道付近)のみを取り出しました。次にこの赤道部分を縦方向に4分割して、その表皮を撮影した画像を統計的に解析しました。

その結果、果実ごとにバラバラに見える網目模様は、共通した科学法則に従って形成されていることを突き止めました。網目ができかたは単なる偶然ではなく、力学的な理論に裏打ちされた結果であることが明らかなったのです。

今回の研究は一定以上の品質が保証された市販のメロンを用いて行われましたが、今後、選果作業の過程で取り除かれるような規格外品や未熟な果実の網目模様を解析することで、メロンの品質や成熟度を画像認識技術にとり自動的に判断できる技術に発展するかもしれません。

文/斉藤勝司

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