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忌地(いやち)

公開日:2023.4.20

同じ土地に同じ作物を繰り返し栽培したり、近縁の作物を連作すると収量が非常に減ることが多い。この現象を「忌地」という。忌地を示す代表的な作物には、アマ・ゴボウ・ナス・トマト・エンドウマメ・インゲンマメ・モモ・イチジク・カンキツなどがある。

忌地の起こる原因はいろいろあるが、まだ完全にわかっていない場合が多い。原因の1つには化学肥料の連用などによる土壌の理化学的性質の悪化が挙げられる。すなわち土壌が酸性化したり、排水不良な土壌となったり、鉄・マンガン・銅・ホウ素・モリブデンなどの微量要素が欠乏したりする。また農薬や、ときにヒ素・鉛・銅などの蓄積による害もある。

次に同じ作物を連作すると、土壌伝染性の病虫害が蔓延する場合がある。トマト・ナスの青枯病や萎凋病、ウリ類のつる割病、アブラナ科蔬菜の軟腐病、各種のセンチュウ害がその例である。根菜類の忌地の多くはセンチュウ害によることが、近年明らかにされてきている。

さらにアレロパシーと呼ばれる現象に原因する場合がある。これは植物体がある種の有害物質を出し、それが同種あるいは他種の植物の生育を阻害する作用で、有害物質としては根から排出されるサリチル酸・バニリン・トランス桂皮酸などが知られている。

忌地を防ぐ方法には古くから行われている輪栽があるが、その他に土壌消毒、客土、病虫害抵抗性品種の利用、接ぎ木の利用などがある。

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