HOME 読みもの アグリニュース 雄株に比べて雌株のほうが 太いアスパラガスを収穫できる アグリニュース 雄株に比べて雌株のほうが 太いアスパラガスを収穫できる アスパラガス太い露地長期どり栽培ハウス半促成長期どり栽培伏せ込み促成栽培低温遭遇時間 公開日:2023.6.2 更新日: 2023.5.23 近年、太いアスパラガスが好まれるようになっており、市場では太いアスパラガスが高値で取引されるようになっています。太いアスパラガスを多く収穫することができれば、収益を向上させられるでしょう。 そのため雌雄異株のアスパラガスの雄株と雌株のいずれが太くなりやすいかなどの雌雄差を調べる研究が行われてきました。しかし、先行研究は古くからある品種ばかりが調べられており、研究ごとに結果にばらつきがありました。 明治大学と東北大学の研究グループは、日本で主要な「露地長期どり栽培」、「ハウス半促成長期どり栽培」、「伏せ込み促成栽培」の3つ作型について、従来品種に、グリーンアスパラガス、ムラサキアスパラガスの新品種を加えて、雌雄差を比較する研究を実施。東北大学が開発した技術を用いて雌雄を判定して、雄株、雌株のいずれが太くなりやすいかなどを調べました。 イラスト/坂木浩子 その結果、露地長期どり栽培、ハウス半促成長期どり栽培の2作型では、太さ、収量は雌株が雄株に比べて同等か、有意に高くなることが明らかになりました。伏せ込み促成栽培では雌雄差は認められなかったものの、休眠期間を打破するのに必要な低温遭遇時間に雌雄差があることなどが影響して、性別ごとに低温遭遇時間を変えれば、雌株の利用で太いアスパラガスをより多く収穫できる可能性があります。 ただし、現在、植物の雌雄を低コストかつ簡便に判定する技術はありません。今後、雌雄判定技術の開発が進み、アスパラガスの雌雄は手軽に判定できるようになれば、雌株を選ぶことで、より太いアスパラガスを生産して、収益の向上が図れるでしょう。 文/斉藤勝司 この記事をシェア 関連記事 2023.9.15 日本の伝統文化と科学からみた絶滅危惧種ムラサキ 何百年もの間、人々は伝統的に植物に含まれる化合物(ファイトケミカル)を染料、香辛 […] ファイトケミカルムラサキ絶滅危惧種 2023.9.2 第38回 花卉懇談会セミナー 〜園芸植物の生産・管理に活用できるLED照射技術の開発と実装〜 去る2023年7月22日、表題のセミナーが東京農業大学世田谷キャンパスにて開催さ […] ラン栽培花卉懇談会LED 2023.9.1 植物の復活には「奇跡の遺伝子」ではなく、多くの遺伝子が関わっていた! 復活植物はアフリカ、アジア、オーストラリア、南米に分布し、季節的または周期的に乾 […] 奇跡の遺伝子クラテロスティグマ復活植物